夜の甘やかな野望
3.
*
初夏の新緑がまぶしい日だ。
倫子は結婚披露宴の会場に来ていた。
トイレから戻る途中、思わず足を止めた。
大きなガラス窓越しに、庭園は陽光で若葉が輝いていた。
「一応ね、心をグレーにさせたくはないんだ」
「綺麗だよねー」
「ああいうウエディングドレスって、いいよねー」
会場から出てきた女性たちが、倫子の後ろを通り過ぎていく。
新婦側の招待客のようだ。
ウェディングドレスが綺麗で良かったのか?
内心で突っ込む。