夜の甘やかな野望
「内藤先生の彼女ってどんな感じの人ですか?」
「え?」
びっくりしたようで、目を丸くした。
「うーん、どんな・・・」
苦笑いをして、言い淀んでいる。
さらっと牽制を含めて、のろけてくるかと思ったら意外だ。
「ま、いいです」
傷に塩をすり込むことになりそうなので止めておく。
この外見と性格に似合う人だ、華奢でふわふわしている人だろう。
男ってみんなそうなんだ。
倫子はブチブチと胸の中で黒く呟きながら、診察室を後にした。