夜の甘やかな野望


「もうちょっと確率がいいんじゃない?」


宗雅はちょっと眉を上げた。


「俺と確率の話、すんの?」


経済において確率とか、なんとかを勉強しにロンドンまで行ったんでしたね。


「母数に今までおまえが寝た女の数を入れてみろよ。
 それに環境の要素を掛けてみろ。
 いままでの学生時代と違って周りに女はどのくらいいんの?
 今現在、女医と看護師に好みがいなかったら、あとは患者?
 おまえの消化器科なんて、来るの年配ばっかりだろ。
 今どき、合コンなんて、無い。
 出会いの場なんてあるか?
 そうしたら、再びその母数が満たされるのっていつ?」

「もういいです」


宗忠はお断り申し上げた。


「おまえ、昔っから、優柔不断で往生際が悪いから、せいぜい後悔しないようにな」


うっわー、可愛くない。


鼻でせせ笑ったし。
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