夜の甘やかな野望


「兄さんは昔っから、横暴で強引で、考えなしだから、碧ちゃんに逃げられないようにね」


言い返すと、再びトリュフが投げつけられない内にリビングを退散した。


まったく、むかつくな。


本当の事だって、自分でわかっているから余計にだ。


宗忠はがつがつと歩いて、母親の姿を探しに行く。


名前を呼んでもらって、にっこりと笑ってもらおう。


リビングでは、兄が“マザコン”と呟いていた。
< 95 / 257 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop