夜の甘やかな野望
6.
*
「えー、もう継ぐの?」
驚いて宗忠は持っていたソーダ―割のグラスを揺らした。
静かなバーに声が予想外に響く。
隣に座っていた、兄の宗雅が冷やかに視線を投げた。
兄弟で飲むことは珍しくなく、色々なことをオープンに話してきた。
宗雅が海外に行った頃から、機会がなく今日は久々だった。
長兄の宗臣は都合がつかなかったらしく、今日はいない。
いつも通り、くだらないことを話題にしていたら、不意打ちに告げられた。
内藤家が持っている学院の理事長職に就くことになったらしい。