保険彼女と日向くんの甘々同居生活


美々が部活に行くのを見送って
私も荷物を持って教室を出た。



ため息をつきたい気持ちを堪えて
夕日が差し込む廊下を歩く。



今日はバイトもないし
どこか寄って行こうかな。


甘いものでも買ってこう。


そうだ、
日向くんと成瀬さんにも買っていこう。





そんなことを考えていた時





「…あ、」




廊下の突き当たりにいる人と
目が合ってしまった。



いつもの如くさらさらと靡く綺麗な長い髪と
少し濃いめのお化粧。


その人を纏う空気は…
うん、やっぱり赤、だ。





でも話すこともないし、かといって無視するのもどうかなと思ったから少しだけ会釈をして隣を過ぎ去ろうとした。





でも向こうは私に話があったようで



「大変ね」




含笑いで私を見てくる。



「…大変って何がですか?」


「あら、気づいてないの?
みーんな貴方のことを話してるのに」






くすくすと笑う彼女が何のことを言っているのかはすぐにわかった。






「あの噂のこと、知りたい?」




え、




…もしかしてなにか知っているの?




この噂のこと。




でも、














ーーーー…なんか腹立つ!!
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