保険彼女と日向くんの甘々同居生活


目の前の先輩から吐き出される言葉の意味がわからなくて、思考が停止する。



でも目の前の先輩の口は止まらなくて





「徹くんに未練があるのはわかるし、加恋のことが憎いって思っちゃってるのかもしれないけど、それを加恋にぶつけるのはどうかと思うの」




「…あの、理解できないんですけど…」







なに、頭がくらくらする。ーーー目眩がする。






「…加恋ね、泣いてるの。もうこれ以上、加恋を泣かせるようなことしないで欲しいの」




「だから、、あの、
なにを言ってるんですか…」








「貴方がいるせいで徹くんも加恋も幸せになれなんて、可哀想だよ。だから、ね?いい子だからこれからの行動には注意してね?」






………言いたいことは沢山あるのに、


足元がふらつく。






「じゃあね」




そう言って遠ざかっていく先輩達が揺れて見える。





「…ま、って、私は…」






声を張り上げたいのに、出てくるのは蚊の鳴くような声で。



耳鳴りがして、一気に目の前が暗くなった。





最後に聴いたのは自分が床に倒れた音だった。
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