保険彼女と日向くんの甘々同居生活










ハッと目を覚まし視界に入ってきたのは真っ白な天井で、消毒の匂いがすることからここが保健室なんだとぼんやり頭の中で考える。




「…気がついたか?」




ベッドの周りにかけられているカーテンの向こうから聞こえるのは保健室の先生の声。




あまり保健室には来ないからわからないけど
よく生徒が先生のことをかっこいいだの色男だのと言っているのを聞いたことがある。




なんてそんなことを冷静に考えられる自分に
少し安心して



「…はい」




体を起こしてカーテンを開ける。



なのに


「…バカか、倒れたんだからまだ寝てろって」



強制的に布団をかけられ
また横になるはめに。




…そっか。私倒れたんだった。



朝からなんか体が重いような気がしてたんだよなあ。




「ほらよ、熱測れたら呼べよ」



体温計を渡されカーテンを閉められる。


「はい」



体温計を脇に挟みながら考える。




…確かにみんなが言うだけあって
かっこいいなあ。

とか

でも日向くんのほうが
私的にはかっこいいかなあ

とか

雰囲気は成瀬さんに似てるかなあ。

とか






頭の隅でちらつくことを考えないように
必死に違うことを考える。


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