保険彼女と日向くんの甘々同居生活

「あ、すみません」


支えてくれた日向君に謝って体勢を立て直し、二人を交互に見る。


そんな私の視線に気づいた日向君が二度目のため息をついて言った。




「こいつ、成瀬。俺の家に入り浸る迷惑な奴」

「ちょ。おいおい〜。そりゃねぇだろ?
お前の手伝いしてんだろ〜。
愛花ちゃんだっけ?よろしくな。
俺、成瀬 葵」





さっきまでの冷たい目はどこへ行ったのかと聞きたくなるくらい、ニコニコと笑い私に手を出し出してくる彼……成瀬さん。



「あ、私は沢見愛花です」



「うん。さっき聞いたよ〜。それより同居とかなんとか言ってたけど本当?」




「あぁ。俺が誘った」




「……お前が?」



「あぁ」



「…珍しい」



「それより早く服着ろ」



「あ、悪りぃね〜」







日向君に服を投げつけられた成瀬さんがいそいそと着替え出したので、見ないようにと後ろを向く。


その瞬間、日向君と目が合った。




「悪いな。驚かせて」

「…ううん、」



あまりの顔の近さに驚きつつ目をそらす。




「おいおい、そこ〜。
二人だけの世界に入んないで〜」





着替え終わったたらしい成瀬さんが私と日向君の間に入ってくる。
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