保険彼女と日向くんの甘々同居生活


帰り道、もうすっかり日は暮れてしまって
雪は降っていないものの
夜風が肌にあたり寒い。


手袋してくればよかったと
後悔しながら手をこすり合わせていると




「愛花ちゃんはさ
さっきの二人のことどう思った?」






今まで一言も喋らなかった
成瀬さんが私を見て聞いてくる。






「…どうって、、二人は恋人なのかなとかどういう関係なのかなとかは考えましたけど…」




日向くんは制服だったけど
女の子はワンピースを着ていたから
日向くんと同じ学校なのかもわからなくて少し気になっていた。







「そっか。
…愛花ちゃんは二人の関係知りたい?」




「もちろん知りたいです!」





「…でも、成瀬さんが話しにくいことなら無理やり聞こうだなんて思ってません。


それにもしかしたら日向くんもあまり知られたくないと思っていることかもしれないですし、成瀬さんから勝手に聞いたら日向くんに怒られちゃうかもしれませんからね」








と笑って言うと
成瀬さんは一瞬驚いた表情を見せたあと
いつもの優しい顔で笑った。





そして私の頭を一回だけ撫でてから


「……ありがとね」



また、ふわりと笑った。
< 97 / 121 >

この作品をシェア

pagetop