1/100でも、じゅうぶん甘いね。






「百井、お前今日、日直だっけ?」

「はい!」

「このプリントまとめてホチキスで留めといてくれ」

「はーい……」



放課後、担任の先生に渡されたプリントの山を前に、ため息をつく。

みんな部活に行ったり帰ったりして、誰もいない教室はなんだか寂しくて。

優ちゃんが手伝おうとしてくれたけど、部活があるはずだから断った。




廊下に差し込む放課後の夕焼けが、やけに眩しい。



「……」




ふと目に入ったのは、倉科くんの机。

教室にも廊下にも、誰もいないことを確認してから、そっとその机に近づいた。

倉科くんがいつも使っている机に、そっと触れる。

冷たくて無機質な木の感触。



「倉科、くん」




ほんの出来心で、その椅子に座ってみてから、急に恥ずかしさが押し寄せる。



……なに、してるんだろう。

こんなのストーカーみたいじゃないか。




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