1/100でも、じゅうぶん甘いね。
* * *
アイスを食べながら、柑奈が隣でうれしそうに笑う。
いつも通る通学路なのに。
ただのコンビニのアイスなのに。
あんまりにも幸せそうな顔するから、こっちまで笑ってしまう。
たとえば歩く道が変わっても。
食べるものがアイスじゃなくなっても。
そして月日が流れても。
隣で柑奈が笑っていたらそれだけで、俺はきっと世界でいちばん幸せなんだろう、なんて。
柄にもないことばかり考えてしまった。
「お前のアホが伝染ったんだけど。
どうしてくれんの」
恥ずかしいことを考えてしまった照れくささから、柑奈の頬を軽く引っ張る。
「なにするのー」
「(……あ。この顔、かわいい)」