1/100でも、じゅうぶん甘いね。
もうすぐ付き合って1年が経つのに慣れないキスに、唇が離れた瞬間、止めていた息を思いっきり吸い込んだ。
どアップで見る唯くんの顔は相変わらず綺麗で、悔しくなる。
「息止めてたの?」
可笑しそうに笑う唯くんを、苦しくて涙目になったまま睨んだ。
ずるい、私ばっかりドキドキさせて。
……するとまた顔を背けた唯くん。
なんか今日、変じゃない?
「あんまり可愛い顔ばっかりしてると」
ぐらり、と揺れた視界。
「──襲うよ」
なんて言葉とは裏腹に、ゆっくり、優しく押し倒されて、反転する視界。
私の目の前には唯くんの顔があって、その後ろには唯くんの部屋の白い天井。
とん、と床に触れた背中からは、ひんやりとしたフローリングの冷たさが伝わってくる。
心臓がうるさいくらいドキドキ脈打っている。