1/100でも、じゅうぶん甘いね。
「こ、怖い……」
朝は晴れていたのに、夕方になって突然崩れた天気。
バチバチとうるさいくらいに、大きな雨粒が屋根や窓を叩く。
風も強くて、ガタガタと窓が鳴るのも心臓に悪い。
それよりなにより、突然光って、大きな音で落ちる雷が。
ピカッと真っ黒な空が光って、ゴロゴロと音が鳴るたびにびくりと肩を揺らす。
私、雷が苦手なのに……。
怖い、どうしよう、助けて!
そう思うけれど、家には私1人しかいなくて。
お母さんやお父さんに電話するわけにはいかない。
おばあちゃんのところで忙しくしているはずだし、心配をかけたくない。
「……唯くん」
思い浮かんだのは、大好きな唯くんの笑顔。
……唯くんに、会いたい。
大丈夫だよって、ぎゅっとしてほしい。
いや、優しい唯くんのことだから、きっとすごく心配してしまう。
そうしたら申し訳ないなぁ。
でも、声を聞くだけならいいかな。