1/100でも、じゅうぶん甘いね。
私の目の前には、大好きな唯くんの顔。
いつもとは違って、真剣で、そして、男の子の顔。
吸い込まれてしまいそうな瞳に囚われて、目を逸らすことができない。
私の顔の横に手をついている唯くんの向こうには、見慣れた私の部屋の天井が見える。
押し倒されているって状況に気付くまでに、しばらくかかったような気がするし、一瞬だったような気もする。
「ゆい、くん」
「──怖いなら、俺のことだけ考えてろ」
そう言った唯くんの顔が、近付いて。
いつもはそっと、優しく触れるそれが、強引に私の唇を奪った。
「ん、っ」
食べられちゃいそうな甘いキスに、頭がクラクラする。
少しだけ目をあけて唯くんを見たら、視線を感じたのかまぶたを上げた唯くんと目が合って。
獲物を捕らえたオオカミみたいな瞳に、胸の奥の方がぎゅん、と疼く。