1/100でも、じゅうぶん甘いね。
「……かわい、」
やっと唇が離れて、思い出したように深く息を吸う。
……心臓、止まるかと思った。
どうしていいか分からず、ただ涙目で唯くんを見つめる私に、ふっと笑った唯くんが呟いた。
可愛いなんて、いつも言わないくせに。
こんな時だけ、そんなこと言うなんてずるい。
「もっとかわいい顔見せて」
不敵に笑う、いじわるな彼。
肌を掠める、温かい手。
唯くんが触れるたびに、きゅんと心の奥が鳴る。
「ま、待って……」
「やだ」
「やだって、」
「柑奈も俺のことだけ見て」
「っ……」
甘くて、優しくて、ドキドキして。
ドキドキしすぎて、なんだか意識がふわふわしてきた。
「……」
大好きな人の腕の中で。
ああ、なんだか、幸せな夢が見られそうだ。