1/100でも、じゅうぶん甘いね。
「なに、やり方わかんねぇの?」
しばらくプリントと睨めっこしていた私に、クエストを一通り終えたらしい唯くんが、やっと顔を上げた。
「……うん」
「ばか」
言うと思った。
間髪入れずに言われた言葉に、しょんぼりと視線を落とす。
「ここは、この公式使うんだよ」
スマホの画面を消して、パッと私のシャーペンを取る唯くん。
ぐっと近づいた唯くんは、プリントに右上がりの綺麗な字で公式を書き込んでいく。
さっきより密着した身体に、耳元で聞こえる声に、どくん、と熱くなって。
待って、何でこんなに近いの!?
訴えるように唯くんを見上げるけど、彼は何事もないみたいな表情で手を動かしている。
ドクンドクンと脈打つ心臓がうるさくて、触れるところが全部熱くて。