1/100でも、じゅうぶん甘いね。
* * *
「……いや、マジかよ」
俺に組み敷かれた下で、すやすやと気持ちよさそうに寝息を立てる柑奈。
……寝た?この状況で?本気?
もう一度柑奈の顔を見るけれど、やっぱり幸せそうな寝顔。
こんな時に寝る人いる?
まあ、柑奈らしいといえばそうだけど。
それでも、少しはだけたパジャマとか。
初めて見る、癖のついた柔らかい髪とか。
化粧をしていない幼い顔とか。
無防備な寝顔とか。
全てが俺の欲を掻き立てて、ため息をつく。
好きな女とひとつのベッドでなんか、眠れるわけないだろ。
布団からも本人からも柑奈の匂いがして、俺の髪の毛からも柑奈のシャンプーの香りがして。
正直もう、柑奈に囲まれすぎて我慢できそうにない。
「……ソファーで寝るか」
こんなところでは一睡もできない。
そう思って立ち上がろうとする、けれど。