1/100でも、じゅうぶん甘いね。
「ん……ゆい、くん」
小さな声で寝言を言いながら、柑奈の小さくて白い手が俺のTシャツを掴む。
「っ……」
ずるいだろ。
なんなんだよ、天使みたいな顔して小悪魔みたいなことするなよ。
それでも俺のシャツを掴んで離さない小さな手が愛おしくて。
触れたら壊れてしまいそうな柔らかい身体を、守りたくて。
観念して布団に入って、柑奈の体を腕の中に閉じ込める。
思っていたよりも華奢な体は、すっぽりと俺の腕の中に収まる。
眠ったまま、嬉しそうに頬を緩める柑奈に、何度目かのため息をつく。
「(寝れねー……)」
きっと一睡もできないまま、夜が明けるんだろう。