1/100でも、じゅうぶん甘いね。
……ていうか、何も考えずに家に連れてきてしまったけど、この前の雷の日のことを思い出すと少し緊張する。ていうか恥ずかしい!
あの日は私が突然寝ちゃったんだけど、唯くんの腕の中が心地良すぎて、雷が鳴っても起きないで安眠できた。
唯くんはなぜか寝不足な顔をしていたけれど、どうしてだろう。私の家のベッド、唯くんにはやっぱり狭かったのかなぁ。
今、親は2人とも仕事に行っているからふたりきりになってしまう。
どうしよう!ドキドキする!と思って少し焦りながら、唯くんと手を繋いで歩いて、家の前に着いた時。
「柑奈!」
家の前に立っていた人が、ぱあっと顔を輝かせて振り返った。金色に近い明るい髪が、太陽の光に透けてきらきら輝く。目を細めてくしゃっと笑う彼。