1/100でも、じゅうぶん甘いね。
「もう、それは昔の話でしょ?」
あはは、と笑うと、不機嫌そうな顔をする玲央くん。
大きくなってもまだ私に懐いてくれてると思うと、すごく嬉しいし可愛いなぁ。
しばらく会わないうちに背は高くなったけれど、くしゃっと笑う顔は昔のままだ。
「認めないからな。俺の方が柑奈のこと幸せにできるし」
ムッとした顔で唯くんを睨む玲央くん。
「……だめ、柑奈はあげない」
ぐい、と後ろ手を引かれて、唯くんの胸にぽすんと治まる。
ドクン、と心臓が跳ねた。
「おい、柑奈のこと離せよ!」
「嫌だ」
なんか喧嘩しているふたり。
唯くん、ムキになるなんてらしくないなぁ。