1/100でも、じゅうぶん甘いね。


というわけで、3人で駅前のショッピングモールにやってきた。


ここならタピオカとかクレープも売っているし、スーパーも入っているからお菓子もポップコーンも買える。


「えーと、ポップコーンだからまずはスーパーに……」


そう呟きながらスーパーへ向かおうとした、瞬間。



「柑奈、こっち来て!」




玲央くんが耳元でこそっと囁いて、私の腕を引く。

え!?



玲央くんが小さかった昔とは比べ物にならないくらい大きくなった手に驚きながら、手を引かれるままついていく。


気づいていない唯くんを撒くように、玲央くんは私を連れて走り出す。


「おい、柑奈!」



振り返った唯くんが驚いた顔をしているのが見えたけれど、すぐに人混みに紛れてしまった。


「ちょっと、玲央くん……どうしたの?」


「ふたりきりになりたくて」



唯くんが見えなくなってから振り返った玲央くんは、悪戯っ子みたいな顔をしてへらりと笑った。



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