1/100でも、じゅうぶん甘いね。
「でも、唯くんが」
はぐれてしまった唯くんのことが気になって後ろを振り返るけれど、見失ってしまったみたいだ。
「……そんなに俺よりアイツのほうがいいの?」
「好きのベクトルが違うよ」
「っ……」
しゅんとする玲央くん。はっきり言いすぎちゃったかな、と少し後悔するけれど、本当に、玲央くんへの好きと唯くんへの好きは全然違う。
「あ、待ってて、俺タピオカ買ってきてあげる!」
「え、待って……」
玲央くんはハッと思いついたようにまた笑って、タピオカを買いに駆けて行ってしまった。
また人混みに紛れて、玲央くんを見失ってしまう。休みの日だから、人が多いのかもしれない。