1/100でも、じゅうぶん甘いね。
しばらく走って振り返るけど、追いかけてくる人はいない。男の人たちは私たちを見失ったみたいだ。
唯くんの乱れた呼吸に、私のこと、走って探してくれたんだなと実感する。
「ありがとう、唯くん」
「本当、すぐはぐれるよな」
眉を下げて、安心したように笑った唯くんに、胸がギュッと締め付けられる。
そうだよ、私が好きなのはこの笑顔なんだ。
ここに座って休もう、とベンチに座らせてもらっていると、唯くんが玲央くんに電話をかけた。いつの間に連絡先を交換したんだろう。
しばらくして、息を切らした玲央くんがやってくる。こっちも私のことを慌てて探してくれていたらしい。