1/100でも、じゅうぶん甘いね。
「玲央くん、無事でよかった!見失ってごめんね」
「……ごめん、俺、自分のことしか考えてなくて、」
俯いて肩を震わせる玲央くん。なんだか泣きそうな顔をしている。
大人っぽくなったと思っていたけれど、こうしているとまだ昔の玲央くんと同じで、弟みたいだ。
「柑奈とふたりきりになりたくて連れ出したのに、張り切りすぎて空回りして見失うし、危ない目に合わせるし、最悪……」
「そんなこと、」
「好きな子を守れないなら勝手なことするな」
しゅんとしてしまった玲央くんを慰めようとするけれど、唯くんの鋭い言葉が上から降ってくる。
怒った顔の唯くんに、今よりさらにしょんぼりする玲央くん。
本人が落ち込んでいるときに不謹慎だけれど、ちょっと可愛く見えてしまった。