1/100でも、じゅうぶん甘いね。



私を見失った玲央くんは、「どうしよう、柑奈がいなくなった」と唯くんのところに戻ったらしい。

唯くん、すごく焦って私のこと探してくれたんだって、愛を感じたって、玲央くんが後でこっそり教えてくれた。




「唯くん、ありがとう」



こっそり囁くと、唯くんは私をじっと見て。


前を歩く玲央くんが「ポップコーンだ!」と棚に駆け寄った隙をついて、ちゅ、と唇を重ねた。


「っ!?」


驚いて目を丸くしたら、悪戯っぽく笑って、人差し指を唇に当てて「内緒」なんて囁く。


「っ……」


格好良くて、ずるい。

唯くんのほうが何倍も上手だったみたいだよ、玲央くん。





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