1/100でも、じゅうぶん甘いね。
そんな私達を見て、
「あれー?『ぜってー嫌だ』じゃなかったの?」
「倉科くん、本当に柑奈に過保護だよね、かわいい」
なんてクスクス笑うクラスのみんな。
恥ずかしくて、かぁ、と頬が熱くなる。
唯くんは「うるせー」と言って、ズボンのポケットにお財布とスマホを入れて私の手を引いた。
……あんなに嫌がってたのに、私と一緒に来てくれるんだ。
ぶっきらぼうだけど優しい彼に、甘やかされすぎて溶けてしまうんじゃないかと思った。
「唯くん、ありがとう!一緒に来てくれて嬉しい」
「ばーか、1人でなんか行かせるわけねーだろ」
2人並んで歩く夏の道は、やっぱりどうしたって暑くて仕方ない。
また団扇でさりげなく私を扇いでくれている唯くんと、学校の近くのホームセンターに向かった。
「あっつ……もうダメ、そこ寄ろうぜ」
ペンキもガムテープも買った帰り道、あまりの暑さに眉をひそめた唯くんが立ち止まったのは、ファストフードのお店の前。