1/100でも、じゅうぶん甘いね。
夏休みも終わり、やっぱり唯くんに宿題を手伝ってもらうなどしながらも無事に新学期を迎えた。
そして今日は、ついに文化祭だ。
綺麗に晴れた空に、キラキラの太陽が眩しい。
みんなもどこか浮き足立っていて、いつもよりしっかりメイクをしていたり、いつもよりスカートが短かったりと可愛い。
私も今日は、いつもはそんなにしないメイクを少し濃いめに施している。
細かいラメの入ったピンクのグロスがお気に入りだ。
そして何より、私たちのクラスは浴衣を着ているから華やかだ。
私は、白地に赤い花柄の浴衣を着ている。
唯くんに恋をしたあの日も浴衣を着ていたことを思い出して、少し照れてしまったりして。
「……あ、唯くん!」
女子が着替え終わって教室にいると、同じく着替えの終わった男子たちが更衣室から戻ってきた。
唯くんはいつも通り格好良くて、黒の浴衣は大人っぽくて色気があるし、ふわりとセットした髪も素敵だ。
「格好いい!似合う!」
「……あ、そ」
少し照れたようにそっぽを向いてしまった唯くん。
……私の浴衣については何も言ってくれない、よね。
まあ、甘い言葉なんて別に期待してなかったけど!唯くんだし!前のお祭りの時も着た浴衣だし!
……でもちょっとだけ、可愛いって言って欲しかったなあ。