1/100でも、じゅうぶん甘いね。
連れてこられたのは、近くの空き教室。
「屋上まで行きたいけど遠いからここでいいや」と唯くんは教室に入って、そのまま鍵を閉める。
なんで鍵閉めたの……!?
唯くんは机に座って、私を目の前に立たせる。
いつもは唯くんのほうが身長が高いけれど、机に軽く座っているせいでちょうど視線が合ってドキン、と心臓が跳ねた。
「──自惚れていい?」
「え」
「さっきの」
さっきの、っていうのは。
キスしようとした、あのことだよね。
恥ずかしくて頬が熱くなる。
唯くんの目をまともに見れなくて、必死に目線を逸らしながら、ゆるゆるとうなずいた。