1/100でも、じゅうぶん甘いね。
「唯くん、一緒に海入ろうよ」
浮き輪を装着してそう言ったら、唯くんが何も言わずに私の方に手を伸ばす。
「え、」
ジイ、とパーカーのファスナーが、唯くんの綺麗な指によって上げられる。
開いていたファスナーは閉められて、白いビキニが隠れてしまった。
「……唯くん、暑いよ」
「そのまま閉めてろよ」
「なんで?」
「いいから」
なんだか拗ねたような唯くんの表情に、首をひねる。
せっかく、今日のために買った水着なのに。
まあ恥ずかしかったんだけど、それでも、唯くんにいちばん見てほしかったんだけどなぁ。