1/100でも、じゅうぶん甘いね。
「あんまり可愛いことばっか言わないで」
ぎゅう、と私を一瞬抱きしめ返した唯くん。
ぱっと離されて、寂しくなる。
「ねえ、唯くん、」
「……我慢できなくなるだろ」
「我慢って……?」
唯くん、なにか我慢してるの?
不思議に思って首を傾げたら、またため息をつかれてしまった。
「鈍感女」
くしゃ、と私の髪を撫でて、唯くんは砂浜に上がった。
もう、髪乱れちゃったじゃん。唯くんだって私に触ったんだから、私にも触らせてくれてもいいのに。
むう、と膨れながらも唯くんのあとを追って、みんなのところに戻った。
2人でなにしてたの〜!?なんて揶揄われたけれど、慌てる私とは対照的に、唯くんはいつも通りの塩対応だった。