1/100でも、じゅうぶん甘いね。
* * *
柑奈はわかってない。
男がどれだけオオカミなのかってこと。
「私も触りたくなっちゃった」
白い肌。アップにした髪のおかげで見える、華奢な首筋。
白いパーカーから覗く、程よく肉のついた細い脚。
胸元からちらりとのぞいた、さっきつけた赤い印。
そして制服を脱いだら意外と大きかった胸。
「百井って意外とスタイルよくね?」
「思った、脱ぐとわかるな」
さっき砂浜で聞いた、クラスの男子たちの会話を思い出してイライラする。
俺だって、脱がせたことなかったし。
いや、脱がせかけたことはあったけど。
柑奈がどんな身体してるかなんて、他の男に絶対に見せたくない。
それなのにこの鈍感女は、無自覚に涙目で見つめてきたりする。
「(可愛すぎて心配なんだけど……)」