1/100でも、じゅうぶん甘いね。
「こんな朝からイチャイチャすんなよー」
ニヤニヤと笑う翔太くんに、頬が熱くなるのが分かった。そうだ、ここは通学路だったんだ。
だけどちょっと嬉しかった、のに。
「は、そんなことしてねーよ」
焦ったように大きな声でそう言う唯くんに、しゅんと肩を落とす。
……そこまで否定しなくてもいいのに。
私と噂になるの、嫌なのかな。
あーあ、と呆れた顔をする翔太くん。
そして、ちょっと決まり悪そうな顔の唯くん。
唯くんの意地悪の裏には、ちゃんと優しさがあることは分かってるんだけど。
でも、たまには唯くんの気持ちをちゃんと知りたいなー、なんて。
欲張りかな、こんなの。