1/100でも、じゅうぶん甘いね。
「唯、くん」
「なにしてほしい?」
「なんでもいいの?」
「なんでもいーですよ、柑奈ちゃん」
からかうみたいに、私の頭を撫でる。
そっと手を伸ばして、唯くんの頬に触れた。
「……柑奈ちゃんの好きなところ、10個言ってください」
ばかみたいなワガママを言ってみたのに、唯くんはまた優しく笑って、私と目を合わせる。
「ばかなところ」
「……それ悪口じゃん」
私の手を取って、優しく撫でる。
「鈍感なところ」
「それも、」
「純粋なところ」
「……そんなことないよ」
「すぐ照れるところ」
「……」
「笑顔が可愛いとこ」
「っ、」
迷うこともなく、次々と好きなところを並べる唯くんに、どんどん照れくさくなってきた。