1/100でも、じゅうぶん甘いね。



お父さんが海外転勤になるかもしれないこと。私も海外に住むのかもしれないこと。


それを伝えたら唯くんは、しばらく言葉を失ってから、「そっか」とだけ呟いた。



「……柑奈はどうしたい?」



ぽん、と私の頭を優しく撫でる、唯くんの大きな手のひら。

いつもより丁寧で、あったかい声。



「行きたくない、ここにいたい……」



みんなと、唯くんと、離れたくないよ……。

泣いている私の隣に黙って寄り添って、背中をさすってくれる唯くんが、やけに大人っぽく見えた。



< 248 / 263 >

この作品をシェア

pagetop