1/100でも、じゅうぶん甘いね。
ここで降りよう、なんてひと言も言っていないけれど。
どちらからともなく立ち上がって、駅のホームに降りる。
海の潮風の匂いが鼻につく。生温い風が頬を撫でた。
ふたりで海に向かって歩いて、ローファーが砂浜にさくっと沈んだ。
季節外れの海を見ながら、ずっと涙をこらえていた。
「なんか飲む?」
しばらく海を見て、唯くんの言葉に頷いて、自販機で缶のミルクティーを買う。唯くんも同じものを買っていた。