1/100でも、じゅうぶん甘いね。
「ご、ごめんなさい……!」
大きな声で頭を下げた私。
どうしよう、ただの勘違いで、唯くんも巻き込んでしまった。
それにお父さんとお母さんにもたくさん心配かけちゃった……!
「本当にバカね……」
呆れた顔のお母さんは、可笑しそうに笑ってしまっている。
「でも柑奈にそんな大切な人がいるなんて知らなかったよ。こんな早とちりにも付き合ってくれるなんて優しい人じゃないか」
お父さんもにこにこしながら唯くんを見ている。
「……まあ、よかったな。勘違いで」
唯くんは、呆れたみたいな、ほっとしたみたいな、微妙な顔をしていた。