1/100でも、じゅうぶん甘いね。
「ごめんなさいね、柑奈が迷惑かけて。こんな子でよかったら仲良くしてあげてね。ほら、迷惑かけたんだからその辺まで送って行きなさい」
お母さんに背中を押されて、唯くんとふたりでいつもの道を歩く。
お母さんなりに気を使ってくれたのかもしれない。
「……ごめんなさい、唯くん。こんなに付き合わせてしまって……」
言いながら情けなくて泣きそうになる。
どうして私はこんなにばかなんだろう。
「いいよ。柑奈がいなくならなくて本当によかったし」
いつになく優しい唯くん。
いつも通りの住宅街。
さっきよりずっと世界が明るく見える。
私、これからも唯くんと一緒にいられるんだ。
唯くんは離れ離れでも、私を好きでいてくれるんだ。
その事実が本当に嬉しくて、幸せで、胸の奥がじんわりと温かくなる。