1/100でも、じゅうぶん甘いね。





髪形変えたのだって、気付いてくれないし……。

朝、翔太くんには気付いたのに、私のことは見えなかったなんて言うし。


からかってるだけなのは分かってるけど、それにしても唯くんは、私に好きってなかなか言ってくれない。




気付いてもらえるなんて期待、してなかったけど。

でも、翔太くんは気付いてくれたのに。


なんて、やっぱり欲張りなことばかり考えてしまう。





そして視界の端には、可愛い女の子たちと楽しそうに笑っている彼で。





……なに、話してるんだろう。
気になるけど、聞けない。




「はぁ……」


「ほら、チョコ食べな」




落ち込んだ私の口に、もう一度放り込まれるチョコレート。

甘く、苦く溶けるそれに、また少し寂しさが募った。




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