1/100でも、じゅうぶん甘いね。
「だって、待っててくれるなんて思わなかった…」
お昼に私が「補習があるから一緒に帰れない」って言った時は、「バカは大変だな」って笑ってたくせに。
終わるまで待ってるなんて、言ってなかったのに。
唯くんは部活に入っていないから、結構長い時間、私のことを待ってくれていたはずだ。
「いいから帰ろうぜ、腹減った」
なんて気怠げに歩き始める唯くんは、さりげなく私の手を握る。
私の手よりもずっと大きなそれに包まれた瞬間。じんわりと甘い熱が、繋いだ左の手のひらから全身に広がる。
嬉しくて、いつまで経ってもこの体温に慣れなくて、ドキドキが止まらなくて。
頭の中が真っ白になりながら、歩幅の大きい彼について行く。
斜め後ろから見上げる唯くんが、その綺麗な横顔が、愛しい。
ピンクみたいなオレンジみたいな空の下、だいすきな人と一緒に居られる時間はこんなにも温かい。