1/100でも、じゅうぶん甘いね。
「本当、可愛いね。百井」
……と、前を歩いていた爽やかイケメンで倉科くんの友達、翔太くんの言葉にも思わず頬が緩む。
「えへへ、ありがとう」
へらりと笑った私を、唯くんは一瞥して。
「まあ……普段よりは、な」
なんて、意地悪な顔して笑った。
……前言撤回。
せっかくふたりに褒められて嬉しかったのに、こんなふうに釘をさす倉科くんは、やっぱり甘くない。意地悪のままだ。
いいじゃん、分かってるもん。
私だってそんなに可愛いなんて自惚れてないよ。
ただ、クラスの爽やかイケメンに可愛いって言われたんだから、ちょっとくらいニヤニヤしたっていいじゃん。
普段よりは、なんて余計な一言を加えた倉科くんを睨んで、ふん、と前を向いてやった。