1/100でも、じゅうぶん甘いね。



「どうしよう……」




急に不安に襲われて、とりあえずみんなを探そう!と早歩きになった時。




「ねえそこの彼女、迷子?」



2人組の男の人たちに声をかけられ、思わず立ち止まる。

大学生くらいの、なんだかチャラチャラした人たちだ。




「友達とはぐれちゃった感じ?」


「は、はい……」


「俺、友達さっき見たよ。連れてってあげる」


ニコニコしながら話しかけてくる茶髪のお兄さん。

友達見たって、なんで私の友達を知ってるんだろう……?



不思議に思いながらも、「それ、どこで……?」と聞けば、グイッと引かれる腕。



「こっちこっち」




やだ、これ、なんか怖い……!

絶対付いて行っちゃダメなやつだ!と気付いた時にはもう遅くて。



ぐいぐい引っ張られる腕を、ふり解ける力は私にはなかった。






「あ、あの!離してー……」




もうやだ、どうしよう……!
なんで騙されちゃったんだろう、本当にばか……。

ぎゅっと、目を閉じた瞬間。




< 71 / 263 >

この作品をシェア

pagetop