1/100でも、じゅうぶん甘いね。
「大丈夫か?」
「うん、大丈夫……」
初めて見る倉科くんの、真剣な、本当に心配そうな表情に、びっくりした。
倉科くんって、こんなふうに焦ったり、必死になったりするんだ。
いつもなんでもそつなくこなす、余裕な姿しか見ていなかったから少し驚いてしまった。
息を切らして、汗かいて。
きっと走って探してくれたんだ。
「あんなの付いて行くんじゃねーよ」
「ごめん、なさい」
「……つーか、ごめん。
俺がもっと早く気付いてれば……」
なんで、倉科くんが謝るの。
悪いのは100パーセント私なのに。
からかってくる倉科くんに拗ねて迷子になるなんて、私、子供すぎる。
「……ごめんなさい」
「ちょ、何泣いてんだよ」
本当、何泣いてるんだろう。
でも倉科くんの顔を見たら、ホッとしたのか、ぼろぼろ涙が溢れて来て。