1/100でも、じゅうぶん甘いね。
そして、ようやく来た始業式の日。
なんだか緊張して、もし倉科くんに会ったら、最初になんて声かければ良いのかな、とか。
そもそも倉科くんの目を見れるかな、とか。
そんなことを思いながら、いつもより気合を入れて仕度をした。
いつもはヘアアイロンでストレートに伸ばしている髪も、今日は少しだけゆるく巻いて。ナチュラルなメイクもいつもより念入りにした。
……倉科くんに、可愛いって思ってもらいたい。
理由なんてただそれだけで、そう思う理由なんて、もうひとつしかなくて。
倉科くんがかけた魔法に、かかってしまったんだと思う。