1/100でも、じゅうぶん甘いね。
「柑奈、どうしたの?」
心配そうに私の頭を撫でて、眉を下げる優ちゃん。
優しい優ちゃんに、涙が止まらなくなってしまった。
「ううー……」
夏休み1ヶ月、想像してた。
この1ヶ月が終わったら。
倉科くんの意地悪な問題の意味が分かったら。
今日は何かあるかもって。
あの時の、ドキドキして、キラキラして、ふわふわして、幸せで。
あの感覚を、その魔法の理由を、もう一度確かめられると思ったのに。
もしかしたら倉科くんも私を好きなのかもって、思ったのに……。