【完】ワイルドなトイプードル系男子が可愛すぎます。

「じゃあ、ごゆっくり。シャンプーとか適当に使っちゃっていいからね」



そう言ってパタリとドアを閉めて、玄関にあった茶色い革のブーツを見た。

ところどころ革は剥げていて、防水なんかもしてないのだろう。

水が染みて靴底の近くが濃い茶色になっていた。

私は、水が染みて重くなったブーツを片手でひょいと持ち上げると、キッチンの隅に寄せておいた新聞を一部取ると、部屋の中にあるストーブの前にそれを広げ、ブーツを上に乗せた。



「明日までに乾くといいけど」



ストーブのスイッチを入れた時に、お風呂の方からシャワーの音が聞こえてきた。


私は、ケトルに水を入れ、いつもは200ミリリットルのお湯を400ミリリットル沸かした。






シャワーを浴びて、着替え終えた合羽男が、「うわあ!あったけぇ!」と言いながら幸せそうな表情を浮かべてグレーのスウェット姿で部屋に入って来た。


そして入って来るなり、部屋のソファーでくつろいでいた私の前に正座で座り、「ありがとうございました」と頭を下げた。

< 10 / 159 >

この作品をシェア

pagetop