【完】ワイルドなトイプードル系男子が可愛すぎます。
「お姉さんの名前は?」
「私は、高橋彩音(たかはしあやね)」
「おいくつですか?」
「何歳に見える?」
「女の人って、年齢聞くといっつもそう言いますよね!いいですよ、当てます!三年間色々な人を見てきたので……」
清良君は、そう言ってじいっと私の顔を見つめた。
そして、ぐるりと体をひねりながら部屋の中を見渡していた。
「行き届いた部屋の掃除、大きくなった観葉植物、そして机の上に置かれた落ち着いた色の陶器のコーヒーカップ……たぶん、彩音さんは30歳くらいですね!」
「おしい!ていうか、その洞察力!」
「洞察力は結構大事なんですよ!長旅してると良いことばかりじゃないんで!うーん……29?」
「ああ……離れたな」
「え!?31!?」
「ううん。32」
「うへー!見えない!」
「おお。君、世間ってものを分かってるじゃない。可愛いぞ」
私は清良君の頭をよしよしと撫でて上げた。