【完】ワイルドなトイプードル系男子が可愛すぎます。
いつもだったら拓海に電話なんて絶対いやだけど、そんなこと考えもしなかった。
職員室の電話の受話器を取り、小学校の電話へつながる短縮ボタンを押した。
運のよいことに、拓海がその電話を取って、美晴ちゃんのことをすぐに確認することができた。
「美晴ちゃんが児童館に来てないの。今日学校は休んで……ないよね?」
『休んでないよ。あ、でも宿題やってきてなくて放課後残したな。いつもより15分くらい遅れて学校出たけれど、もう到着してもいい時間だよね?』
「変わった様子とかなかった!?」
『ないよ、そんなの』
「本当に!?」
『疑って……るんですか?』
拓海は電話の後ろにいる人たちに気を遣ったのだろう。
小声で疑っている私に怒りをぶつけてきた。
そのトーンが変わった声に、拓海のことを嫌っていてもさすがにそれは言ってはいけない言葉だったと冷静になった。
「……ごめん。私今から小学校から児童館までの道探してみる。拓海はとりあえず美晴ちゃんの自宅とお母さんにも電話を入れてもらっていい?もし美晴ちゃんの居場所が分かったら電話ちょうだい」
そういって受話器を静かに置いた後、それとは全く正反対のスピードで館長室へ駆け込んだ。