【完】ワイルドなトイプードル系男子が可愛すぎます。


児童館から小学校までの道のりを歩いてみたけれど美晴ちゃんの姿はどこにもなかった。

長靴の底からじんわりとシャーベット状になった雪の冷たさが伝わってきて、美晴ちゃんは冷たくないのだろうかと余計に心配な気持ちが膨れ上がった。


その時、スマートフォンの着信音がなった。

小学校から……拓海だ!



「拓海!電話繋がったの!?」



『うん。お母さんに繋がった。それで、いつもと変わったことなかったか聞いてみたんだ。そうしたら、実は昨日美晴ちゃんのおばあちゃんの容態が急変したんだって。今は安定しているみたいで、大丈夫みたいなんだけど……もしかしたらおばあちゃの病院に行ったんじゃないかって言ってた』



「おばあちゃんが入院してる病院ってどこ?」



『隣町の総合病院だよ。』



「分かった。今すぐ向かってみる」



『俺も今から探しに出るから。見つかったらお互いに連絡な』



「了解」



電話を切り、GPSを使って総合病院までのルートを検索し、それにそって歩くことにした。


検索していた画面を清良君が覗き込み「距離あるね」と呟いた。



「歩いていこうとして迷ってるのかも……」



どこかで事故にでもあってなければいいけれど……。


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