【完】ワイルドなトイプードル系男子が可愛すぎます。



ふくらはぎがぱんぱんに張って来た。

夕方近くになり、外気温がぐんぐんと下がり始めていた。

早く見つけてあげたい!早く電話がきて!

祈りながら探しているときだった。



「彩音さん!向こう側の道路!美晴ちゃんだ!」



「え!?」



清良君が指さす方向を見た。

赤いコート、そしてランドセルを背負って歩く後ろ姿は確かに美晴ちゃんだった。



「っ……!美晴ちゃんっ!」



その姿を見たら安心しきって涙が出そうになったせいもあってか、うまく声を出せなかった。

美晴ちゃんは聞こえていないようで、小さな歩幅でとぼとぼと歩き続けた。

清良君は、私がうまく声を出せていない間に車が来ていない隙に道路を渡り終えていて、美晴ちゃんの元へダッシュで向かっていた。


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